訳あり物件、事故物件を避けるためのチェックポイント【札幌編】
少しでも家賃の安い賃貸物件を探したいと考えていても、訳あり物件や事故物件は避けたいと考える人も多いでしょう。
ここでは、訳あり物件や事故物件にはどういう物件が含まれるのか、またそのような物件を避けるためのチェックポイントについて説明します。
目次
訳あり物件、事故物件に含まれる賃貸物件について
家賃が安く設定されている訳あり物件や事故物件。不動産会社のサイトでは「告知事項あり」などと表示されています。
では、実際にどのような物件のことを指すのか詳しく説明します。
訳あり物件
心理的瑕疵(かし)物件とも言われます。そのため、不動産会社のサイトによっては「心理的瑕疵あり」と表示されている場合もあります。瑕疵(かし)とは傷のことで、欠点や欠陥などの意味も持っています。事故物件も心理的瑕疵物件になりますが、それに加えて以下のような物件も訳あり物件として扱われることがあります。
- 何らかの理由により、数年後に取り壊しの予定がある
- 賃貸物件の近くに火葬場やお墓、刑務所や暴力団事務所がある
- 繁華街に近いため、騒音問題が起こる可能性が高い
- ゴミ屋敷と言われている建物が近くにあるため、悪臭の問題がある
- クレーマーが住んでいる など
また、物理的瑕疵がある場合も訳あり物件になります。例えば、土地や建物自体に欠陥があるケース(地盤が歪んでいる、床下浸水、シロアリが出るなど)が対象となります。
事故物件
過去に事故があった賃貸物件が対象となります。しかし、事故と言っても範囲は広く、明確な基準はありません。室内での自殺や他殺、事故死などは含まれますが、共用部分などで起こった場合は告知されない場合もあります。
高齢化社会により、今後孤独死が増えてくるかもしれません。事故ではありませんが、訳あり物件として扱われる可能性もあります。
訳あり物件、事故物件に関する情報の告知期限
訳あり物件、事故物件という言葉は法律用語ではありません。そのため、明確な定義や条件は決まっておらず、事故が起こった時期によっては告知されないケースもあります。
最近ではなく10年前だったとしても、人が亡くなった部屋に住むということは気持ちがよいものではありません。しかし、実際には告知期限に規則はないのです。
例えば、3年前に自殺があった賃貸物件にそれを承知の上で住んでいた人がいたとします。その場合、実際に住んでいた期間に問題が起きなければ、次に入居する人には告知しないということもあります。反対に、テレビのニュースにも取り上げられたような大きな事件があった物件であれば、何年経過しても事故物件として扱われることもあります。このように、物件を探している人への告知期限については一切決まっていないというのが現実です。
訳あり物件、事故物件を見極めるためのチェックポイント
実際のところ、訳あり物件でも事故物件だったとしても、家賃の安さから入居する人は少なくありません。住んでみると、それほど心配なかったということもあるでしょう。
しかし、少しでも気になる人は、訳あり物件や事故物件に当たらないように自分でしっかりチェックする必要があります。
そのチェックポイントについて説明します。
家賃
家賃が格安な場合、さらに礼金、敷金、更新料などすべてなしという場合は注意が必要です。また、保証人不要、ペット可など条件が厳しくない物件もチェックした方がよいでしょう。
しかし、別の理由で家賃を安くしている場合もあります。例えば、大家さんの希望というケースです。「早く次の入居者を見つけてもらいたい」などという理由の場合は、安く設定していることもあります。
札幌市内の区の中では中央区が一番家賃が高いと言われていますが、札幌駅前や大通りのエリアで家賃が相場よりも安い場合は、よく確認した方がよいでしょう。
ただし、中央区と言っても藻岩山やスキー場のある盤渓も中央区なので、かなり範囲は広いです。中央区のどこなのかによっては家賃が安いエリアもあります。
部屋の状態
建物の中で1室だけがリフォームされている、室内の床やお風呂だけがリフォームされているなどという場合は、事件があったことを隠そうとしている可能性があります。注意しましょう。
マンションなどの建物の名前
事故物件の場合、過去に建物の名前が新聞などメディアに取り上げられることもあります。そのため、名前を変えていることも。名前を変えている形跡があるマンションなども気をつけた方がよいでしょう。
契約形態
契約形態が「定期借家契約」(更新ができない契約形態)になっている場合も注意した方がよいでしょう。契約期間を1~2年間と短く設定し、その間の家賃を安く設定している場合があります。これは、1~2年間は事故物件であることを隠し、その後通常の家賃に戻すという手段です。
訳あり物件、事故物件に当たらないためにできること
物件情報を自分でしっかりチェックしたつもりでも、訳あり物件や事故物件を見極められるとは限りません。インターネットで物件情報を探しても「告知事項あり」と記載はされていますが、その内容については書かれていません。
訳あり物件や事故物件に当たらないためにできることは「不動産会社に聞くこと」と「住人に聞くこと」です。
不動産会社に聞く
実際に不動産会社へ行って、事故物件、訳あり物件を避けたい場合は、きちんとその旨を伝えることが重要です。住みたい場所や部屋の広さなどの希望ばかり伝えようと思ってしまいますが、事故物件や訳あり物件には住みたくない、という希望も必ず伝えるようにしましょう。
不動産会社は、事故物件や心理的瑕疵物件について告知する義務がありますが、告知されずに契約し、その後事実が判明した場合は契約を取り消すことができることとなっています。しかし、後で気がついても、また新しい部屋を探すことは面倒でしょう。
先に確認していれば、そのようなトラブルに遭うこともありません。
先ほども説明しましたが、事故に関する情報についての告知年限は決まっていません。2年という会社もあれば、5年という会社もあります。1年なら気になるが、数年経過しているのであれば気にしないという人であれば問題ありませんが、5年経過したとしても訳あり物件、事故物件には住みたくないという人は、不動産会社の人へその旨を伝えて必ず確認しましょう。「事故物件ではない」と聞いても「数年前はどうだったか」というように過去のことについて質問すれば教えてくれるでしょう。
より詳しい情報を得たいのであれば、不動産会社は札幌という地域に密着して営業している会社、できれば希望の物件の近くにある会社を選ぶことをおすすめします。その土地に関することをより詳しく知っているからです。
住人に聞く
希望している物件で、何か事故などが起こっていないかどうか調べるためには、その近くの飲食店などで聞いてみることが一番の近道です。もし近所で事故などが起こった場合、住んでいる人の記憶にはいつまでも残っています。初対面の人には聞きづらいかもしれませんが、勇気を出して「この近くの●●というマンションに住もうと思っているのですが、この辺りの住み心地はどうですか?」などと聞いてみましょう。事故があったかどうかだけではなく、治安やおすすめの場所などいろいろな情報を聞き出すこともできます。
インターネットでいろいろな情報を調べることができる時代になっていますが、中には事故物件と書いてあっても実際には違ったということもあるようです。また、その反対ということもあり得るでしょう。物件探しに関しては、自分で得た情報を基に不動産会社へ詳細を確認するようにしましょう。