管理会社と仲介会社の違い|報酬の出どころを見ると役割がわかる

賃貸経営を始めると、「管理会社」と「仲介会社」という2つの呼び名に出会います。同じ会社が両方を看板に掲げていることも多く、違いがわかりにくい部分です。

この2つは契約相手・必要な免許・報酬の出どころがそれぞれ違います。なかでも報酬の出どころの違いが、両者の動き方を決めています。ここを理解しておくと、どちらに何を期待すべきかがはっきりします。

3つの軸で比べる

管理会社仲介会社
契約の相手オーナー(管理受託契約)入居希望者・オーナー(媒介契約)
必要な資格賃貸住宅管理業の登録(200戸以上は義務)宅地建物取引業の免許(必須)
報酬管理委託料(家賃の5%前後・毎月)仲介手数料(成約時のみ)
関係の期間契約が続く限り継続成約で完了
主な仕事集金、入居者対応、建物維持、報告物件紹介、内見案内、契約手続き

報酬の構造が、動き方を決めている

ここが両者の違いの核心です。

仲介会社は「決めたときだけ」収入が発生する

賃貸の仲介手数料には、宅地建物取引業法46条と同法施行規則で上限が決まっています。

  • 貸主・借主の双方から受け取る合計額は、家賃1か月分+消費税が上限
  • 居住用建物の場合、一方から受け取れるのは原則として家賃0.5か月分+消費税まで。これを超えて借主から受け取るには、媒介の依頼を受けるにあたって事前に承諾を得ている必要があります

実務では、この上限とは別に、貸主が仲介会社にAD(広告料・業務委託料)を支払う慣行があります。空室が長引く物件で「AD1か月分」といった条件を付けるのはこのためです。

いずれにせよ、仲介会社の収入は成約したときにだけ発生します。裏を返すと、契約が決まった後の入居者トラブルや家賃の入金は、仲介会社の収入とは結びついていません。

管理会社は「入居が続く限り」収入が発生する

一方、管理委託料は毎月発生します。入居者が住み続けるほど、管理会社の収入も続くという構造です。

この違いは、実際の行動に現れます。たとえば「家賃を下げてでも早く決めるべきか」という判断で、仲介会社は成約を優先しやすく、管理会社は入居後の回収可能性まで含めて考える動機があります。審査の厳しさに差が出やすいのも、この構造が理由です

どちらが良い悪いではなく、それぞれの立場から見て合理的な行動が違うということです。

「管理も仲介も自社」は有利か

札幌の会社に限らず、管理と仲介の両方を手がける会社は多数あります。オーナーから見たメリットとデメリットを整理します。

一体型のメリット

  • 情報が途切れない:内見時の反応や問い合わせの傾向が、そのまま募集条件の見直しに反映される
  • 窓口が1つ:募集・契約・入居後の対応を同じ担当が把握している
  • 空室情報が早い:退去予告を受けた時点で自社の募集が動き出せる

一体型のデメリット

  • 他社の客付け力を使いにくくなる場合がある:自社で決めたほうが会社の収入は大きいため、他社からの問い合わせに積極的でない会社も存在します(いわゆる囲い込み)
  • チェックが働きにくい:募集条件の妥当性を第三者の目で確認する機会が減る

この点を確認するには、面談で次のように聞くのが有効です。

「募集は御社だけで行いますか、それとも他社にも広く出しますか。直近1年で、他社が決めた割合はどのくらいですか」

「他社が決めた割合」を数字で答えられる会社は、他社経由の客付けを実際に受け入れています。ここを曖昧にする会社は、その理由を確かめたほうがよいでしょう。

免許・登録の確認方法

2つの制度は別物なので、それぞれ確認します。

宅地建物取引業免許賃貸住宅管理業登録
表記例北海道知事(3)第○○○○号国土交通大臣(1)第○○○○号
括弧内の数字更新回数。5年ごとに1つ増える更新回数。5年ごとに1つ増える
必須か仲介を行うなら必須管理戸数200戸以上なら義務

宅建業免許の括弧内の数字は、その会社の営業年数の目安になります。(3)なら少なくとも10年以上、(5)なら20年以上です。ただし数字が小さいことが即欠点ではありません。若い会社が新しい手法で成果を出している例もあります。

札幌で特に効いてくる違い

札幌の賃貸市場は、大学の入学と企業の転勤が重なる1〜3月に需要が集中します。この時期は仲介会社の店頭も繁忙のピークになり、1件あたりにかけられる時間が短くなります。

つまり、繁忙期に自分の物件を優先してもらえるかどうかは、日ごろの関係で決まります。管理会社が仲介ネットワークにどれだけ物件情報を流し、条件をどう伝えているか——ここが空室期間の差になって現れます。

逆に4月以降の閑散期は、条件を見直して長期入居を狙う時期です。繁忙期に決められなかった部屋をどう扱うかという質問に、具体的な戦略で答えられる管理会社を選んでください。

まとめ

  • 管理会社はオーナーと管理受託契約を結び、毎月の委託料を受け取る。仲介会社は成約時の手数料が収入
  • 賃貸の仲介手数料は貸主・借主の合計で家賃1か月分+税が上限。一方からは原則0.5か月分+税まで
  • 収入の発生タイミングが違うため、審査の厳しさや条件交渉のスタンスに差が出やすい
  • 一体型の会社を選ぶなら、他社経由の客付けをどう扱っているかを数字で確認する

オーナーが継続的に付き合うのは管理会社です。募集力(仲介機能)と入居後の対応力(管理機能)の両方を確認したうえで、複数社を比べて決めてください。

失敗しない賃貸管理会社の選び方 オーナーが最初に確認すべき3つのポイント

1

入居率を公開しているか

公開している会社は、それだけ数字に自信がある証拠です。非公開の場合は、直近の実績を面談で必ず確認しましょう。

2

オーナー・入居者の対応窓口があるか

専用アプリなどオーナーが状況を確認できる仕組みと、入居者からの連絡を24時間受けられる体制。ここが手薄だと、対応の遅れがそのまま退去につながります。

3

原状回復工事の費用負担はどうか

退去のたびに発生する原状回復費は、収支を大きく左右します。オーナー負担が実質0円になる仕組みを持つ会社もあるので、必ず確認しましょう。

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